制作経過報告:背景を合成して完成!│12ヶ月連続イラスト7枚目

2017年3月11日

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12ヶ月連続イラスト7枚目、完成です!7月29日には完成して一足先にpixivにupしてあったんですが、ブログを書くのが遅れてしまいました。

色塗りの仕上げが終わったのが前回(7月27日)なので、背景合成などの最終仕上げは2日間。実質の作業時間は1日せいぜい3時間なので、6時間ぐらいでしょうか。早いのか遅いのかよく分かりませんが、自分的にはもうちょっとじっくりできたらよかったかな?

以下で簡単に作業を振り返ってみます。使用ソフトはPixia5.40c7(途中で5.40dにアップデート)です。

最終的なキャンバスサイズを決める

まず、最終的なキャンバスサイズを決めました。横1618×縦1000ピクセルです。どうやって決めたかというと……

  • キャラの作業をしていたキャンバスのサイズが縦971ピクセル(96dpiでB5縦のサイズ)だったので、縦の長さは切りの良い1000ピクセルにする。
  • 黄金比(1:1.618)にもとづいて、横の長さを決める。
  • 縦1に対して横1.618倍なので、1000×1.618=1618ピクセルが横の長さ。

……というような感じです。非常に単純です(^_^;)

構図を決める

最終的なキャンバスサイズで新規作成して、構図を決めるグリッドを引きます。こんなの↓
【図】グリッド│12ヶ月連続イラスト7枚目

タテヨコをそれぞれ3分割する線です。長方形選択ツール+線描画ツールで作りました。

グリッドに沿って「キャラ」レイヤを[Ctrl]+[Shift]+ドラッグで移動しました。
【図】グリッドに沿ってキャラを配置する│12ヶ月連続イラスト7枚目

背景次第ではキャラの位置を再調整するかもしれないので、「グリッド」レイヤは残しておきます。

※なお、「キャラ」レイヤは色塗り作業ファイルのレイヤをすべて結合したものです。ただし、「マスク」レイヤだけは残してあります。背景と合成するとき、背景部分だけを領域選択するためです。

背景テクスチャを作る

グランジ風ペンでペイントする

つぎに、背景テクスチャを作ります。まずは、自作のグランジ風ペンでひたすらクリックを繰り返したものです↓
【図】背景テクスチャ1│12ヶ月連続イラスト7枚目

色は赤青黄緑を基本に、一部にオレンジや紫、白も入れています。

この「ペイント」レイヤを複写して、合成方法を「オーバーレイ」にします。

そして、複写の方の色味をカラーバランスや色調補正をつかってやや青寄りに変えました↓
【図】「ペイント」レイヤを複写して、色味を変える│12ヶ月連続イラスト7枚目

合成すると↓こんな感じ。
【図】「ペイント複写」レイヤをオーバーレイで合成│12ヶ月連続イラスト7枚目

写真テクスチャを重ねる

さらに背景をアレンジしていきます。

コンクリートの壁や床を撮った写真をコピーして、新規レイヤとして貼り付けします。

使ったのはこの2枚。キャンバスサイズに合うように拡大して使いました。

コンクリートテクスチャ1
【写真】コンクリートテクスチャ1│12ヶ月連続イラスト7枚目

コンクリートテクスチャ2
【写真】コンクリートテクスチャ2│12ヶ月連続イラスト7枚目

この2枚のレイヤと、さっき作った「ペイント」レイヤ・「ペイント複写」レイヤを、合成方法を変えたり順番を入れ替えたりして試行錯誤。

最終的に、以下のような順番と合成方法になりました。優先順位が高い順に、

  1. コンクリートテクスチャ1(乗算)
  2. ペイント複写(オーバーレイ)
  3. ペイント(明度)
  4. コンクリートテクスチャ2(重ねる)

です。

これを表示してみると、↓このようになります。
【図】背景テクスチャ│12ヶ月連続イラスト7枚目

背景テクスチャとキャラを合成する

背景と「キャラ」レイヤを合成します。
【図】背景とキャラを合成│12ヶ月連続イラスト7枚目

「キャラ」レイヤは合成方法「重ねる」のままですが、透明色プレーンを使って背景を透明にしています。やり方は「Pixiaで画像を合成する5つの方法」の中の「(3)A-2・前景レイヤの透過色プレーンを使う画像合成方法」と大体同じです。

ただし、Pixia5では「透過色プレーン」は「透明色プレーン」として、最初からレイヤに付属しています。なので、リンク先のようにプレーンの追加をする必要はありません。

それから、Pixia5で透明色を編集する場合、白と黒の役割がリンク先の解説と逆になっていますで塗りつぶした部分が「透明」、で塗りつぶした部分が「不透明」になります。

そんなわけで、「キャラ」レイヤの背景部分を領域選択して(ここで色マスクレイヤを使います。)、透明色プレーンを表示してから領域反転→白で塗りつぶし。
【図】透明色プレーンを塗りつぶし│12ヶ月連続イラスト7枚目

ぼかしフィルタをかけて、境目のギザギザが目立たないようにしました。

画像プレーンに切り替えると、この項の冒頭の画像のように背景部分が透明になります。

壁の落描きを描く

グランジっぽくするために、グラフィティもどきを描いていきます。参考にしたのは「Paint Graffiti on Wall in Photoshop | Drawing Techniques」。黒でアウトラインを描いて、色で中を塗りつぶして、影やインク垂れ、汚れを加えて完了。
【図】壁の落描きを描く│12ヶ月連続イラスト7枚目

1枚のレイヤに、普通のブラシでゴリゴリ描きました。汚しに自作グランジ風ペンを使っています。

これを、レイヤ濃度70%で、「重ねる」で合成。
【図】落描きを合成│12ヶ月連続イラスト7枚目

だいぶグランジっぽくなってきました。

段ボールの切れ端画像を貼り付ける

さらにグランジ風にするために、破いた段ボールの写真を貼り付けます。
【図】破れた段ボールの写真│12ヶ月連続イラスト7枚目

コピーしたものを回転して貼り合せています。継ぎ目が目立つけど、修正する気力がなかった……。

これを、レイヤ濃度56%で、「重ねる」で合成します。
【図】「段ボール」レイヤを合成│12ヶ月連続イラスト7枚目

オーバーレイでさらにレイヤを重ねる

オーバーレイでさらにレイヤを重ねていきます。まずはこれ↓
【図】キャラの足元の影│12ヶ月連続イラスト7枚目

キャラの足元の影です。乗算でもいいと思いますが、ここはオーバーレイで合成します。
【図】足元の影をオーバーレイで合成│12ヶ月連続イラスト7枚目

次に、もう一枚レイヤを作成して、今度は中心に向かって明るくなる円グラデーションを作ります。
【図】「円グラデーション」レイヤ│12ヶ月連続イラスト7枚目

紺色で全部塗りつぶしたあと、トーンフィルタを使って中心部を水色のグラデーションで塗りつぶしました。(黒い汚しは、最終調整で描き加えたものです。)

これもオーバーレイで合成します。レイヤ濃度は63%です。
【図】「円グラデーション」レイヤをオーバーレイで合成│12ヶ月連続イラスト7枚目

最後に、もう一枚レイヤを追加してスクウェアタイプのグラデーションを使って塗りつぶし。
【図】スクウェアグラデーションで塗りつぶし│12ヶ月連続イラスト7枚目

汚しは最終調整で加筆したものです。これもオーバーレイで合成。
【図】「スクウェアグラデーション」レイヤをオーバーレイで合成│12ヶ月連続イラスト7枚目

色味とコントラストが、イメージに近くなってきました。

ラストは文字入れです!

文字を入れる

ラストの作業、文字入れです。

レイヤを一枚追加して、大きさと角度をランダムに変えて文字を張り付けていきます。描画色は白です。 (分かりやすいように、背景色を黒にしてありますが、実際は透明のレイヤに白で描画しています。)
【図】「文字」レイヤ│12ヶ月連続イラスト7枚目

フォントは「Ascent 2 Stardom Font」と「Gasmask Font」です。なんとなくそれっぽくなるような、英語の曲名を適当に羅列。手持ちのCDの偏りっぷりが分かりますね。

これを、「明度」で合成。
【図】「文字」レイヤを明度で合成│12ヶ月連続イラスト7枚目

これで完成です!(実際には、文字入れの後で最終調整でオーバーレイレイヤにところどころ描き加え、光りすぎてる所や暗すぎる所を調整しました。上の画像は最終調整済みです。)

まとめ

簡単に振り返るつもりが、かなり長くなってしまいました(^_^;)

最終的なレイヤ構成は、優先順位が高い順から、

  1. 「文字」(明度・100%)
  2. 「スクウェアグラデーション」(オーバーレイ・100%)
  3. 「円グラデーション」(オーバーレイ・63%)
  4. 「足元の影」(オーバーレイ・100%)
  5. 「キャラ」(重ねる・100%)
  6. 「段ボール」(重ねる・56%)
  7. 「コンクリートテクスチャ1」(乗算・100%)
  8. 「ペイント複写」(オーバーレイ・100%)
  9. 「ペイント」(明度・100%)
  10. 「コンクリートテクスチャ2」(重ねる・100%)
  11. 「色マスク」(非表示)
  12. 「グリッド」(非表示)

なんだかんだでレイヤが増えました。

キャンバスサイズが大きく、レイヤ枚数もそれなりに多いので、レイヤの切り替えや設定の表示がやや重くなりました。メモリ4GBでもこんなもんなのか……。

というわけで、12ヶ月連続イラスト7枚目完成です。グランジ風に挑戦してみましたが、キャラと背景がバラバラになってしまった感は否めません。うまく統一感を出す方法を模索する必要がありそうです。

さて、8枚目のテーマはどうしよう。つぎは「動物」かなぁ……。